なくしたものを探して〜とりあえずやってみました

体験主義で、実際に体験した内容と、実はよく知らないので人に聞くのが恥ずかしい、という内容について調べてみたことをもとに書きます。

Kindle安売り漫画の紹介

time 2020/07/11

さて、前の記事でAmazonのKindleで6円とか11円とかで売られることがある漫画があることを書きました。今回はそうした漫画を紹介していくことにいたします。

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YOSHI、TETSU「Deep Love REAL〔完全版〕」

完全版とそうでないバージョンがありますが、安くなることがあるのは完全版の方のようです。
結構前にケータイ小説が流行りましたよね。この原作もYoshi氏による「Deep Love」で大ヒットしました。原作の方は私は未読ですが、女子高生のパートと新米ホストの青年のパートに分かれています。マンガの方は主にホストの青年の方を描く内容です。終盤の方に女子高生の話にもなりますが。
作画のTetsuというのは、こしばてつや氏のことです。

ホスト界隈を描いた話は店内でのランキング勝負や派閥争い、客との駆け引きや恋愛関係、ヤクザとの関わりなど、だいたいパターンがありますが概ねそれらを網羅する内容となっています。主人公である義之は顔立ちの良さとその雰囲気から人気を得ます。彼の成り上がりの話でもありますが、どうも話が脇にそれるケースも多いです。脇を固める面々もキャラが立っていると言えますが。

終盤の話でさらわれた後輩を救うために奮戦して男を上げたキャラクター達が、最後の暴力団絡みの話ではいきなり悪役になって捕まったり、刺されて死亡したりとやたらとハードで後味の悪い話運びとなっていました。衝撃ではありましたが。ヤングマガジン連載作品ということで、男性向け内容でした。

佐藤まさあき、梶原一騎「若い貴族たち」

「巨人の星」「あしたのジョー」の原作で知られる梶原一騎氏と、「堕靡泥(ダビデ)の星」で有名な佐藤まさあき氏がタッグを組んだ劇画作品。全6巻。

劇画作家を目指しているうだつの上がらない青年が、スケバンを束ねている少女である日向真樹と出会い、その奔放さや清廉さ、強さに深く感銘を受けます。彼女が次々と巻き込まれるトラブルとそれを度胸と腕っ節で解決していくのも魅力ですが、それに惹かれていく男達が自分の生き方を見つめ直していくのも成長譚として楽しく読めました。

序盤はよくわからない話かと思ったのですが中盤以降に引き込まれます。惜しむらくは最後の6巻の終わりが打ち切り状態であること。自分たちのことを悪く書いた雑誌編集者への復讐話の途中であり気になりますね。いまや作者は2人とも故人。

平野 仁「アリサ!」

普通に生活していた高校生のアリサが実はパラレルワールドの住人であり、しかもそこの重要人物の娘であるそうで。彼女を知るものがいないパラレルワールドを舞台に、彼女を狙う組織との闘いが繰り広げられます。

どうも最初に連載されてコミックスになった時点では全4巻だったようですが、Kindleでは分割されて全8巻になっています。だから通常のコミックスが220ページほどなのに対してKindle盤は110ページほどでした。

突飛な設定の割にやっていることは女子高生が闘うガンアクションもの。作者は「サハラ」という女外人部隊物も描いているので、武器の描写は慣れたものですね。これもようやく同じような境遇の仲間が出てきて活躍しそうだと思ったところで、打ち切りなのか中途半端なところで終わってしまいます。

太田垣康男「一平」

ロボットものやSFものが多い作者ですが、本作は警察官の話です。尊敬する剣道の達人の後を追うかのように警察官入りした若い巡査が職場で出会う事件や彼を取り巻く人物に影響を受けて成長していく話です。迫力のあるタッチが見物です。

はっきり言って、序盤の剣道と警察官の日常パートはあまり面白く感じられませんでした。若干の恋愛要素もあるのですが青臭さの方が目立ちますし、後は人情話が続いているような感じで、これで全18巻全てが埋まっていたらしんどいなとも思っていたところです。

しかし立場が刑事となり凶悪事件の捜査にあたったり、終いには山でテロ集団と対決するという、最初の人情話はどこへやらという激しい展開になると俄然面白くなりました。後半に尻上がりで好きになっていった作品です。

かわぐちかいじ「獣のように」

かわぐちかいじ氏の作品もちょいちょい100円以下に安くなったりします。

もともとビリヤード店を経営しているチンピラだった2人ですが、ヤクザとのつながりを機に裏社会で成り上がっていこうとする内容です。
表紙を見ると眼鏡の方が頭脳労働、もう1人が武闘派のような印象を受けますが眼鏡の方もなかなか血の気が多く、むしろ言い出したら聞かないような頑固なところもあります。

前半はビリヤード中心で敵対する相手もその道のプロだったり海外からやってきた達人だったりと、球技でのスリルを味わうことができるのですが、後半はヤクザとしての闘いです。血で血を洗う抗争が氏の濃いタッチで描かれており胸がザワザワしました。

真樹日佐夫、池上遼一「野獣伝説」

結構有名どころが組んだ作品で、全3巻。
池上遼一作品も、少し前のものはしばしば安くなるので買いやすいです。

昔の作品だからなのかストーリー展開がすごいです。柔道で高校日本一を決める戦いん出でていた主人公は、決勝戦で調子に乗って相手を死に至らしめてしまいます。相手の兄弟から復讐戦を挑まれたり、姉が暴行されて殺されたりした結果、警察に頼らずに自分たちで街を警備していこうと考え、高校を退学。

クラスメイトの秀才や、復讐してきた相手、そして街にいたヒッピーを仲間にして、人々から依頼を受けたりしますがいきなりやくざの抗争に巻き込まれたりします。
メンバーがみなそこそこ腕っぷしが立つということで次々と勝利していくのですが、自分は何を読んでいるのだろうという気にしばしばなりました。終着点が見えないまま終わります。短い話ですから打ちきりだったのでしょうか?

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