2021/06/13
見ている側をびっくりさせるようなトリックや伏線や仕掛けが明らかになる、いわゆる「どんでん返し」がある映画について紹介します。
どんでん返しというと「シックス・センス」「猿の惑星」「シャッター・アイランド」などが有名ですが、日々様々な映画が世の中に送り出され続けている状況ですし、名前だけは聞いたことがあるこの映画も、実はどんでん返しがあるんだよという感じで楽しんでいただければ幸いです。
なお、タイトルを挙げた時点でネタバレになってしまいますので、そういうのが苦手な方は以下を読まないようにお願いします。
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Contents
思い出のマーニー
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スタジオジブリによる長編アニメーション映画です。監督は「借りぐらしのアリエッティ」以来となる米林宏昌氏。
喘息と精神的な悩みを抱える杏奈という少女が、療養も兼ねて親戚の住む北海道で夏休みを過ごす話です。付近の入り江にある古びた洋館で、杏奈は同年代ぐらいのマーニーという少女と出会います。
クラスメートや田舎の同年代の子とも仲良くなれない杏奈ですが、なぜかマーニーとはすぐに意気投合。マーニーの側から積極的に杏奈を誘ってくれます。互いに秘密を打ち明け合って仲が深まっていくという青春もののようなのですが、本作にもどんでん返しが存在します。
過去と現在の錯綜や杏奈の持っている人形、洋館の過去を知る人物の登場など謎めいた要素が多く、真相を考えながら見ていくのも面白いのではないでしょうか。
グランド・イリュージョン
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内容はマジシャンやメンタリストを集めた詐欺師集団が、数々の犯罪を行っていくというクライムサスペンスものの映画。
チームのそれぞれが技能を生かして働くという、日本のルパン三世に近いテイストです。男女の人数比も同じですね。
詐欺師集団は4人で構成されており、フォーホースメンと名乗ります。大勢の観客を集めたショーの最中にお金を奪ったり動かしたりする大がかりなトリックを実現させていくのが見所です。
トリック暴きのプロや警察との丁々発止を経てフォーホースメンの活躍を追っていく話なのですが、実は終盤にどんでん返しが用意されています。私はまんまと騙されてしまいました。
ちなみに続編の「グランド・イリュージョン2 見破られたトリック」も出ていますが、こちらを先に見ると本作のネタバレになっていますので注意が必要です。2でいきなり出てこなくなる人物もいますしね。
素晴らしきかな、人生
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クリスマスにはこれを見る人が多いという有名作「素晴らしき哉、人生!」と同じようなタイトルが付いている作品です。最初はそのリメイクというわけではなく、原題が「コラテラル・ビューティ」であり別物です。ウィル・スミスが主演なのですがそこまでヒットした作品でもないようですね。
娘を失ったことで心に深い悲しみを持った主人公をウィル・スミスが演じ、彼を励まし立ち直らせるために会社の同僚たちが作戦を練るものの、それは同時に同僚たち自身が抱えている問題と向き合う過程でもあったという話です。
感動できるヒューマンドラマですが、そんな作品にもどんでん返しがあるから面白い。どんでん返しがなくても話としては成り立っているのですが、最後の最後に意外な関わりが明らかになって驚きます。
メッセージ
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DVDジャケットにもある物体は宇宙船であり、中にはエイリアンがいます。ジャンルでいうと宇宙人SFですね。この宇宙船は世界の12か所に降り立っており、攻撃をしてくるでもなくただ佇み、定期的に人間を中に迎え入れるという仕組みがあります。
主人公は言語学者の女性で、物理学者の男性とともに、中のエイリアンが地球に来た目的を探るため、軍に宇宙船の元へ連れてこられました。
宇宙人と対話できるようになるまでの過程や、宇宙人たちの目的を探っていくのがメインなのですが、ときおり主人公の女性に娘との楽しかった日々がフラッシュバックします。
観客が知らず知らずのうちに、これはこういうことなのだろうと解釈しながら映画に没入していくのを逆手にとったような仕掛けが見事でした。私は騙されたのですが、人によっては看破できるかもしれませんね。
ユージュアル・サスペクツ
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騙し騙されのクライム・サスペンス。麻薬密輸船の爆発から話が始まり、その船からの生き残りの人物の語りによって過去と未来が交互に描写される作りになっいます。警察に面通しで呼ばれた5人組が「ユージュアル・サスペクツ」(よく容疑者として名前が上がる人たち)という意味だとか。
5人組は手を組んで、警察への復讐も兼ねた強奪事件を目論むのですが、伝説のギャング「カイザー・ソゼ」に目を付けられて仕事を依頼されるという話。自らの姿を見せないながらも次々と犠牲者を増やしていく「カイザー・ソゼ」が恐ろしいです。どんでん返しもそのあたりと関係します。
余談ですが、東京03のライブDVD、第12回東京03単独ライブ「燥ぐ、驕る、暴く。」に、「再会」というコントがあります。このDVDには東京03メンバーが解説するオーディオコメンタリーがついており、この「再会」における角田さんのある動きが、「ユージュアル・サスペクツ」みたいだと語られているのです。この内容がかなり核心のネタバレであり、上記したカイザー・ソゼについて喋っています。
女神の見えざる手
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政治活動で名を挙げてきた女性ロビイストのエリザベス・スローンが主人公で、銃規制法案を成立させるべく議員の票集めが必要な中で、法に触れながらも策を巡らせていく彼女の活躍が描かれている映画です。
どんでん返しというと、映画を見ている側がなんとなく登場人物の関係性とか背景なんかを想像して見ているところを、実はそうではないという形で裏切るパターンが多いですね。私が上で書いてきた作品はそのパターンが多いです。ですが、最後の最後で仕掛けておいた策が発動して逆転する、というタイプのどんでん返しもあり、本作はそれにあたります。
終盤のどんでん返しの連続で、あの人があんなことをするのかとか、あの場面はそういう意味だったのかという展開が次々と押し寄せてきて爽快。中盤以降に主人公サイドの劣勢が続く中で、視聴者が溜めてきたストレスを一気に解消していくような鮮やかな流れが痛快です。
マッチスティック・メン
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ニコラス・ケイジ主演の詐欺師映画です。相棒のフランクと共に詐欺を働いて金を巻き上げて生活していたロイが主人公ですが、神経症を患っておりセラピストに助言を求めたところ、会ったことのない別れた妻の娘に会うことを勧められます。突然14歳の娘が登場するという変わった展開。
父親と娘が打ち解けていくものの、父の詐欺師という職業をどうとらえるべきかという娘の姿も描かれており、なかなか複雑。派手さはないけれど面白いヒューマンドラマだと思って見ていましたが、なんと最後にどんでん返しがありました。
どんでん返しものだと事前に知っていたという人は、結構今作の仕掛けも予想できているようですね。私は騙された方ですけれど。
鑑定士と顔のない依頼人
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2013年のイタリア映画。
初老の美術品鑑定士があるお屋敷に住む女性から、両親の遺産を競売にかけたいので美術品を査定してほしいという依頼を受けます。ところがこの女性、全く鑑定士の前に姿を現そうとしません。
鑑定士が好奇心から隠れて依頼人の姿を見ると、若く綺麗な女性でした。この女性は過去のトラウマで外に出られず、鑑定人がその相談に乗ったり身の回りのことを手伝ったりしているうちにいつしか男女の仲になっていきます。
なかなか凝った話で、美術品や街の雰囲気、BGMもいいという結構好きな映画になりかけていましたが、結末がどんでん返しです。しかもこれまで上で挙げてきた映画よりもひどい結末になります。
どんでん返しで少し私も心にダメージを受けてしまいました。終盤まではかなり楽しく心暖まる話に見えていたのですけどね。そういう人ほどラストでのダメージは大きいかもしれません。
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