2021/06/13
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夭折したジャズ・トランぺッターというとクリフォード・ブラウンの名が浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
1956年に25歳の若さで交通事故死。世に出て活動していた期間は4年ほどでした。
ブラウンは1954年からドラマーのマックス・ローチと組むことが多くなり、ブラウン=ローチ・クインテットを結成して活動。
今回の「クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ」もその当時の作品で、楽曲の良さと演奏の完成度の高さで特に評価が高い1枚です。
いずれの楽曲もトランペットが小気味いいテンポで聴こえてきます。
マックス・ローチのドラムはやや後ろの方で聴こえてくるような印象ですが、曲展開では一気に前に出て掛け合いの中心に踊り出ます。「What Am I Here For」などで顕著に聴く事ができますね。
ミドルテンポの曲が多く、紫煙が立ち上る夜のバーなどで聴くと非常に雰囲気が出そうです。
家の自室で落ち着いて聴くのもよいですね。
「Delilah」はもともと映画「サムソンとデリラ」の主題曲だったそうで、もともとの曲は存じなかったのですが、ここでは異国情緒を漂わせるメロディーが印象的です。時折聴こえる官能的なメロディーに背筋がぞくっとするところもありました。
あと特に印象に残ったのが「Daahoud」で、これはクリフォード・ブラウンが作った楽曲。
イントロからのメロディーが耳に残ります。途中で再度このメロディーが出てくると嬉しくなりますね。
「Joy Spring」もブラウンの手による楽曲。ピアノの美しいメロディーから始まり、徐々にトランペットの音色が大きくなってきます。中盤からピアノが中心にメロディーを奏でており、私はピアノ好きなのでこういう楽曲もいいなあと思います。
クリフォード・ブラウンがもっと長く生きていたら、さらにすぐれた作品を生み出していたかもしれないと考えると、つくづくその才能が惜しまれます。